2004年11月23日

サンフ3−2磐田

秋風の
ヴィオロンの
節ながき啜泣
もの憂き哀しみに
わが魂を痛ましむ。

時の鐘
鳴りも出づれば
せつなくも胸せまり
思ひぞ出づる
来し方に
涙は湧く。

落葉ならね
身をば遣る
われも、
かなたこなた
吹きまくれ
逆風よ。

(ポール・ヴェルレーヌ/秋の歌 訳詩:堀口大学)

 とまあ、某「枕草子」ライクな冒頭モードで始めてみた(いつか怒られるよ、俺)のだが、そんな心境を幾日も幾日もひきずりっぱなしで過ごすしかなかった2004年の晩秋。しかし、漸くこの「逆風」を突き抜けてくれた我らが同志に労いの言葉を投げ掛けずにはいられない、そんな安堵感に満ちた気分なんだ。

 さて、例のごとくカワハギの肝醤油等で進みに進んだ日本酒によって泥酔でありながら、しっかり情報をシャットアウトしてふらふらとロールしながら帰宅。実はこの飲み会、こともあろうに「川崎Fロンターレ昇格やったね祝勝会!で手前に俺達の幸せ気分を充分に見せ付けてやるぜ」という酷い趣旨で誘われた会であった訳だが、お気楽な連中は、この俺様が情報を遮断していることをエサにしこたま吟醸酒を幸せな胃袋に流し込みつつ「え〜っと、きょうのじぇいわんの結果は、おおっとぉ、あぶないあぶない。言いそうになっちゃったよぉ」「前半はと、おっとがんばってるねえ、がしかし後半は...ふふん」と微妙なキーワードをちらつかせつつどんどんご機嫌になる。「え〜と、俺達はキミ達と違って次は勝ち点100と100得点を同時にゲッツか(ニヤリ)、おっと、キミのところも打ち合い..おっと口が、まあ、がんばった”けど”ね」。”けど”だと〜!つまり最後はいつもの流れかよ、と後から振りかえれば完全なガセワードにうるうるする僕(←前述一人称「俺様」から既に降格)。そんな状況で帰宅したのであった。
 さて、ぐるぐる回る部屋の風景と格闘しつつVTRスタート。最初の5分位はちょっといやらしく支配されたものの、どうにも磐田らしくない。20番のDFがありえないパスミスや空振りで地に足が着いていないのが原因か、それにしても中盤でチンチンにもて遊ばれたかつての強いジュビロ的雰囲気は陰を潜める。そうこうするうちに、来期の契約も怪しい怪物チアゴがその20番の頭をフワリと超えるパス、最近評価ガタ落ちのコウジにぴたりと合う。このトラップが実に絶妙で、キーパーが触れないところへボールを押し出し、今日最もファンタジーとの評価高い岩丸GKの指先をあざ笑うようなラストパスがチアゴへ。難なくゴール!PK以外の初得点おめでとうってもう年の瀬ですから〜、残念!それにしても、よくアスリートマガジン誌で広大の監督が記述されていた、「オープンゴール(GKの存在しないマウスへ流し込むゴール)こそが得点の最も理想的なパターン」という言葉がよぎる。このようなゴールはサンフではあまりお目にかかることがないのだ。
 この後も最近素敵過ぎるカズのラストパスやコマの久々のグッドクロスでペナ内で際どいシーンを連発。磐田がおかしいのか、うちのポテンシャルが効率よく発揮されているのか、これはスタジアム観戦者にとっては心地よい試合だったに違いない。酔いが醒めるね。磐田も福西が1発ドンピシャで頭に当ててきたシーンがあったが、下田の正面に行くあたり4年振りに勝ち運があるのかとも思わせた。

 後半開始早々にも、大木から左サイド服部へと渡り、「あんまりみたことがない服部さんのファーサイドへの精度の高いクロス」がGK、DFの頭上を美しく通過、走り込んだコウジにドンピシャ。これも1点目に負けない美しさだった。こりゃあ、ちょっと出来過ぎだ。逆に怖い。

 ...。
 なんでこうなるのだろう。真上にパンチしてしまった下田、誰も福西につかないDF、大木のありえないクサビ処理ミス、普通にみていて今日は安心だと思っていた後半15分までのしっかりした守備が嘘のような、毎度のパターン。酒が回る。もう寝る、みたくない。2−0が、あっという間に2−2。一体何度目なんだ、この不甲斐ないパターン。

 そんな流れだったの中、いつものように前俊登場。あと10分、厳しいねえ。ところが、今まで「蹴るな」と散々弊サイトで文句を垂れてきたバックラインの1枚、吉田からのロングフィードを、さすがの電柱モリツァが「物凄くそのポイントを精度高く狙ったとはっきりわかる」スーパーねじりヘッド、前俊の前にほんの少し存在したスペースゾーンへ。さてどうする俊介。と、ここで俊介、ドリブルの予想を覆し、落ち際2バウンド目をなんとファーへ。GKはニアに若干体重が掛かっていたせいか、触れない。勝ち越し!前スンスンス〜ン!(と脳内ではzoom-zoomのメロディエンドレス)

 これで決まった。何かが変わってくれるような予感の香りただようシーン。後に振りかえったときにそうであって欲しい、そんなプレイ。ちょっと不安な残り10分をしっかり戦ってくれた彼らの姿に安心し、そのまま夢の中へ...



posted by matsu at 02:01| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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